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日本人キャスト『Chicago』

この週末に芝居を二本、観てきました。

土曜日は加藤健一事務所の『詩人の恋』。
本日、日曜日は、日本人キャストの『Chicago』。
うっかりして、昨日『詩人の恋』の感想を書いちゃえばよかったんだけど、書く前に今日『Chicago』に行っちゃったので、興奮覚めやらぬ『Chicago』のほうの観劇記録を、先にアップしちゃいます。

それで、日本人バージョンの『Chicago』。
このロキシー米倉涼子、ビリー河村隆一、という日本人キャストのチラシを見た瞬間、なんだーそりゃー?!というファーストリアクションだったのは私だけでないと信じたい。しかし日本人版のChicagoへの興味には勝てず、結局チケットを取ったのでした。ヴェルマは少なくとも宝塚出身の、「本職」の人みたいだし、…と。

蓋を開けたらー。
もんのっすごい良かった。期待も予想も大幅に裏切り大幅に超えて、もの凄く良かった。11/3の楽までにもう一回チケットが取れるなら行きたいくらい。

まずはオープニングのアンサンブルに超やられた!!!前口上の女性に始まり、ぞろぞろと登場してきたダンサー達の、何たる「フォッシーの世界」だったこと!私はアンサンブルの質が高い最近の日本のミュージカルを観るたびに、この十数年でなんと日本のミュージカル界のレベルは上がったことだろうと驚嘆するんですけども、身体のプロポーション的なことも技術的なことも含め、今回はホントに度肝を抜かれました。過去に来日公演のChicagoを2回位観てますが、いずれのプロダクションにも勝るとも劣らないもの。今回のアンサンブル。

そして期待が頂点に高まったそこへ、床がせり上がってヴェルマ登場!和央ようかさん。彼女の「Come on babe...」の第一声にまた度肝を抜かれた。なんというヴェルマな声なの!!こんなに深くてセクシーな日本人ミュージカル女優の声を、私は初めて聞いたかもしれない。このアンサンブルとこの和央さんの「All That Jazz」で、オープニングにして完全にやられました。和央さんの更にスゴイところは、時折はさむ超おちゃめな演技がまたいいの!(「全然憶えてないの」と両膝を揃えてかわいこぶるのとか)このヴェルマ、新しいわ~。
そんななので、「Cell Block Tango」なんてサイコーだった!!和央さんもいいし、女性アンサンブルが、質が高いんだ、また…。男性アンサンブルも素晴らしかった。ロキシーがエイモスと面会してる横で、三人の男性ダンサーがタバコをふかしながらポケットに手つっこんで踊り始めるダンスがあるんだけど、超素敵だった。日本人キャストでこんなに魅せてもらえるなんて、まったく嬉しい誤算。

米倉涼子さんは、正直全く期待してなくって、過去に彼女の演技を唯一見たことあるのはテレビの「不信のとき」で、そのときからセリフまわしがヘタクソだなというイメージがあって、冒頭のフレディとのシーンもやっぱりセリフまわしがありゃりゃりゃという感じだったのだけど、舞台が進むにしたがって、ん、意外といいとこもあるじゃんと思えた。
なぜなら彼女は思ったよりずっと身体能力が高いのです。バレエをずっとやってたんだとか。ダンスは見ていて全くひっかかるところは無かった。むしろ手足も長いし、美しかったよ。フォッシーダンス、はまっていたかも。
ロキシーのキャラの造形も、歴代ロキシーで私は見たことないくらい下品で頭悪くて田舎者っぽい造りだったんだけど、それはそれでアリだな、と思った。ふつうにミュージカルスターな役者がロキシーをやると、それこそロキシーという人のwannabeなキャラが判んなくなっちゃうんだよね。で、米倉涼子は別に素が下品とか頭悪いとか田舎者っぽいというわけではないと思うので、意図した造形だと思い、このキャラクター作りは、プラス評価。
歌は、映画でレニー・ゼルウィガーがキャスティングされたことで、ロキシーのパートはそこまで歌がうまくなくてもいいんだっていう世間の認識が出来ていたことも、彼女には幸いしたんじゃないでしょうか。個人的には、米倉涼子さんはしゃべり声にめぐまれてねえなあと思うんだけども、ああいうしゃべり声の人って、トレーニングすると実は歌声に関してはパワフルないい声を作れる素材であることが多いのです。だから、ミュージカルやりたいなんて言うんだったら、本気出してちゃんと歌のトレーニングやればいいのにね。と思う。

そして期待を良い方に見事に裏切られたのが、河村隆一!すんごいハマってたわー、ビリー・フリン。前に来日公演でWET WET WETのボーカルだった人がビリーをやってて、歌がうまくて雰囲気もピッタリで凄く良かったんだけど、それを彷彿とさせた。河村隆一はビリーとしては若めの雰囲気だけど、全然違和感なかった。歌うまいねー、彼は。「We both reached for the gun」の最後のロングトーンも見事!!セリフまわしも早口なんだけどカツゼツは明快クリアー。よどみなく次々言葉が出てくる感じ。まさに、silver-tongued prince of the courtroom でした。彼のちょっとナルっぽい雰囲気も、ビリーに合ってるし(笑)。たとえ、歌は歌手だから出来てあたりまえ、だとしても、演技やセリフまわしの部分でもあれだけバチッと決めてくるのは、影で真面目にそーとー努力したろうなー、というのも、好印象な理由の一つです。

エイモスも、メアリー・サンシャインの人も、良かったなあー。メアリー・サンシャインのH. Masuyama さんは、私が観た中で一番うまいメアリー・サンシャインだったかも。高音がキレイだった。ママ・モートンの田中利花さんは、最初ちょっと、ん、声が薄い?と思ったのだけど、サビで声を張るところはさすがの貫禄だった。キャラ的にはなんか合ってるしねー(笑)。

途中、セリフや歌の日本語訳がうまいもんだなあ、誰なんだろなあ、と思っていたら、セリフは常田景子さん、歌詞は森雪之丞さんだった。なんだ、私が気に入っている訳者さん二人が今回はゴールデンコンビじゃないですか!!単なる言語の置き換えじゃなく、日本語のセリフ、日本語の歌詞として血肉がかよっていて、現代的に自然なところがスキです。
あでも、二幕冒頭のヴェルマの「Hello, suckers! Welcome back.」のところ、今回はふつうに「おばかさんたち」だったんだけど、以前の来日公演の字幕で「ひま人たち、おかえり」になってたのが個人的にツボだったなー。そういえば。
あっ、あと、一人称の「ミー」ってのはどうでしょう、と思った。赤塚不二夫かよ、と。

客席もすごく反応良くて、気持ちよく拍手を送り、気持ちよくスタンディングオベーションすることが出来ました。私の周りは、どうやら和央さんファンの人たちが多かった雰囲気だなー。アンコールも、予定されたアンコールが終わったあと、アナウンスも入ってから更に3回幕を上げさせてたし。舞台を観た興奮の分のアンコールは、できたのが嬉しいです。前日の『詩人の恋』は、スタンディングしたいのに年配のお客さんたちは誰一人そんな雰囲気ではなく、ひととおり予定どおりのアンコールした後はさら~っと帰っちゃってて、さみしい限りだったからね~。

てことで、満喫してきました!赤坂Act。
昨日の『詩人の恋』も、これは全く違う系統としてもの凄くもの凄く良くて、この週末は二つも幸せな舞台経験をさせてもらいました。『詩人の恋』は、あらためて観劇記録書きます。

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『キーン』

わー、古田新太のリチャードIII世だって!『天保十二年のシェイクスピア』DVDの副音声で、シェイクスピアの中ならリチャードやりたいって言ってたもんなあ。やりたいことは口に出すもんだなー。へえー。演出はいのうえひでのり氏。キメ台詞で拍子木鳴るのか、やっぱり。(←ウソ)

てなチラシを手に入れたのは、天王洲銀河劇場で市村正親さんの『キーン』を観てきたからです。
市村さんは良かったけど、『キーン』という芝居自体はー。うーん。イギリス人には面白いのか?私は個人的には市村さんのリチャードもハムレットも舞台で観てるし、他のシェイクスピア物もそれなりに観ているので、この芝居の一般的なお客さんとして準備が出来てないほうではないと思うのだが…。そんなに、ピンとこなかった。演出的なこと、かもしれない。『笑の大学』の外人バージョンを観に行ったときも思ったけど、イギリス的、というのかな。全部を舞台側が提供しちゃうのでなく、観客側にゆだねる余地が大きい作り方をする、というか…。たぶん、私が観客として、ゆだねられるのが好きじゃないんだろうなあ、と(笑)。スパーンとエンターテインしてよこして欲しい。(題材がヘビーな場合でも、なんでもね)

この一週間はやたらと睡眠不足だった。それはアマゾンで面白そうな本を買ってそれがすぐ届いちゃって夜更かしして読んだりとか、帰り道にふと目に入ったビジネス雑誌の特集がうちの業界がテーマで面白かったので夜更かしして読んだりとか、アマゾンで別の本も買っちゃってそれがまたすぐ届いて夜更かしして読んだりとかしていたから。そのせいでか、昨日金曜は会社の帰りに突然気分が悪くなり、家に帰って7時半から爆睡し、9時半に子供に起こされてご飯を食べさせ、10時半からまた寝て、今朝目がさめたのは午前10時前ぐらい。合計13時間半寝て、やっとすっきり。でもまだいつでも寝れるという状態…。いつもの平日は、一日夜更かししても他の日に早めに寝たりとかしてるのだけど、今週はついつい毎日夜更かししてしまってた。睡眠はきちんとコンスタントに取らないとなー。

今週買った本とは:
『外資系トップの仕事力II』 ISSコンサルティング編
『シークレット アドバイス 世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」』 フォーチュン編集部 編著
『一流の人は空気を読まない』 堀 紘一著
『「真のリーダー」になる条件』 堀 紘一著

当然のように、その前に買った『史上最強の人生戦略マニュアル』とか、読み終わってないですが…。あ、他にもアマゾンで注文中の本があったなそういえば…。
秋休みが欲しい…。


『眠れぬ夜のホンキートンクブルース完結編』

それで先日の日曜に観に行った芝居というのは、水木英昭プロデュース『眠れぬ夜のホンキートンクブルース完結編』です。

初めて観る劇団でしたが、今回元音楽座の土居裕子さんが客演されていて、彼女のブログを読んで面白そうかなあと思ったので急遽行くことにしたのでした。舞台の設定がホストクラブというのも、この春に引っ越してきた今のご近所にはやたらとホスト風の方がうろうろしているということもあり、なんとなく個人的にツボだったというか。

うん、面白かった!コヤは新宿御苑前のシアターサンモール。小劇場というものにホンット久しぶりに行きました。上述のとおり水プロお初でしたが、しっかりとエンターテインしてくれる造りの芝居で、好きでした。笑いもしっかりやるしドラマもしっかりやるという、一番ツボのパターンかも。基本的にストレートプレイなんだけど、挿入される劇中歌のレベルが高いのも好感(笑)。バチッとハマった男声合唱に弱いのよ私は…。土居さんも、今回はストレート出演かと思いきや、ちゃんと歌っとられました。彼女の舞台を観るのは、ひょっとすると音楽座ぶりかもしれない…。久しぶりでした。客席に音楽座の五十嵐進さんがいらした、ような気がする。

主演…は、セイシュウ役の津田英佑さんになるのかな。エンターテイナーです、この方。しかし全員のホスト(笑)が個性的で、見事にキャラが立っており、全員が印象に残りました。それでいて散漫でなく、全体としてきちんと一本の物語に収束しているところがポイント高いです。(いや、ホントに初めて観る劇団なので、どのくらいのレベルを期待してよいのか判らなかったので)
しかし私が観た回に全部さらっていったのは「ジャケットにアイロンかけときました」という台詞を思いっきりカツゼツよく「ジャイロン…」と大ガミした川口真五さんでしょう(笑)。(それに対する津田英佑さんの「……ん、何をかけたって?」という冷静なツッコミとか、芝居もだいぶ進行した頃にさりげなく川口さんに「ジャイロン野郎」と呼びかける水木英昭さんとかが秀逸)
あっ個人的には大橋光さんとか、ホストじゃないけど土居さんの部下の相澤一成さんとか好きでした。大橋光さんといえば、全く同じようなビジュアルの本物のホストの人をうちの近所のホルモン焼き屋さんで見かけたことあります。ホスト2名で巨漢めの女性について私のななめうしろの席に座ってたので、私の向かいのだんなは観察し放題でした。2人ともちゃんと巨漢の女性のほうを見つめてウンウンって話を聞いてあげてるのに感心したそうです。芝居とは関係ないですが。

全体としてあまりに好印象だったので、次回公演は特に気になる客演がなくても観に行ってもいいかなーと思っています。久しぶりに新しい劇団を開拓しました!うれしいね。

ミス・サイゴン2回目

昨日昼、今回2回目のミス・サイゴンに行ってきました。
橋本エンジニア、ソニンキム、藤岡クリス、シルヴィアエレン、泉見トゥイ、坂元ジョン、池谷ジジの回。

レミゼのときに初見した橋本さとしさんが素晴らしかったこと、ソニンキムの評判がやたらと良いこと、1回目に他の観たいキャストを組み合わせると大好きなシルヴィア・グラブさんが入っていなかったこと、藤岡正明さんが軽く歌っている映像をネットでたまたま見たらすごく良かったこと…などが、今回のキャストのチョイス理由です。

今回の私にとっての初体験は、Why God, Why?からSun and Moonの流れの中で、クリスとキムがなぜ恋に落ちたのかがその場でハッキリと判ったこと。
いままでは、あとでクリスがエレンに当時の状況を話すシーンでやっと説明される…ようなかんじで、1幕のその場のタイミングでは、二人がふつうに恋に落ちているようにしか見えたことなかったのです。
今回は、明らかにキムは最初は怯える小さなベトナム人の女の子で、クリスがそうだ、オレがこの子を救える!とひとりで盛り上がって(その場ではクリス本人にとってはきっと恋愛感情に思えたことでしょう)、そんな手を自分に差し伸べてくれるクリスに対してキムが恋に落ちる、という構図だった。ふつうに二人が恋に落ちてロマンチックにSun and Moonを歌うほうが大勢の観客的には納得がいくんだろうけど、今回のこの解釈のほうが、Miss Saigonというこの物語を伝えるのには「正しい」構造だったろう、と思う。これはねえ、ソニンキムの力が大きい。クリスがSun and Moonの前のHow would you like...を歌い始めている頃はまだ、キムは怯えて懐疑的で、思い出してしまった肉親の死のショックから抜け出せていなくて、クリスが何を言い出しているのかよくわからない…という演技なのです。それが、だんだんクリスが言っていることが判ってきて、うれしくなってきて、恋に落ちてしまう、というのが、キムの演技で明らかになってた。それをしっかりと支えたのが、藤岡クリス。納得の行くWhy God, Why?を初めてみた。クリスの葛藤がこの場面でこんなに目に見えたのは初めて。それがあってこそ、続くSun and Moonにつながる場面での上記のクリスとキムの心の動きが、説得力を持つのです。今回初めて、Miss Saigonという物語の本当の構図が見えたのかな、という気がします。すごくよかった。

しかしその後、ソニンキムの気持ちの見え方がややinconsistentな箇所があった…かな。トゥイに対する気持ちの部分では。今回はキムがトゥイを撃って、そして号泣する、という心の流れに、納得がいかなかった。前回の新妻キムのときは、それが自然な流れで見えたのだけど。理由はおそらく、ウェディングに乱入してくるシーンでのキムがトゥイに対してものすごく憎憎しげなかんじで、彼に対する一片の愛(従兄弟として、とか、これまでの経緯の中での)も感じられなかったことが、あとまで引きずった…というのが大きいでしょうか。
あと、3年後のシーンからソニンキムは非常に強くなるのですが、それは母として強くなったというよりは、辛い苦しい経験を積んできて、彼女自身が人間として強くなった、という印象。それは彼女のドスのきいた地声の効果が大きいです(笑)。新妻キムは、母として強くなった、という印象だったのだけど。弱くて小さかったキムが息子のために強く生きてきた、だから息子のためならなんでもできる、最後の選択でさえも…という構図のほうが、この物語をほんとうのものにするのに納得性のある構造だと思います。キムのキャラクターと物語の展開が、同じ一本の線上にきちんと重なる、というのかな。

あと、いや、決して全体的に印象がよくなかったわけでなく残念ながら気になったところを書くと、ソニンキムはロングトーンのとき音がぶらさがりぎみになるのが、どうにも気になった。観ていて気持ちを引き戻されてしまうというか。演技の部分、気持ちとか感情とかの部分というのももちろん大切ですが、ミュージカルというフォーマットでの芝居である以上、歌唱技術面での力は必須。というのが私の持論。私はミュージカルの観客として、「歌派」とか「演技派」とかではなく、「"全部"派」だと思ってます。だってストレートプレイを観に行っているわけでなく、歌謡ショーを観に行ってるわけでもないのですから。そういう意味で、ソニンちゃんにはまだまだ精進して欲しいなあ、と思う次第です。新妻キムが凄いのは、そういう技術面でのひっかかりが、一回も無かったこと。私はけっこうウルサイほうだと思うんだけどもね。

藤岡クリスは、そういう意味で演技面でも歌唱面でも思いのほか良かったです。今回初めて観たんだけどね。演技面は上記のとおり。声も好き。こないだは新妻さんのCDを買って帰りましたが、今回は藤岡君のCDを買って帰りました。

そして橋本エンジニア。うっさんくせえ~!!!(笑) いやあーうさんくささではピカイチではないでしょうか。彼はなんというのか、たぶん台本を読んで思うとおりのエンジニアというか。あの状況の中でしたたかに生き延びようとする、生命力の強い人。そういう意味で、市村さんのエンジニアの系統、といえなくもないでしょう。個性が強いからあんまり誰の系統とかいうのも違うかんじだけど。
という、ある意味「正統派」のエンジニアを観るにつけ、前回の筧さんのエンジニアが隠し持っている「人間味」みたいなのが、際立つなあーと。1幕冒頭のシーンでジジがNo. 66の人に「アメリカに連れて行って」と言ってつきとばされるところがありますが、あそこで橋本エンジニア、およびおそらく通常のエンジニアがジジに言うことは「余計なこと言ってんじゃねえ!」なんですけど、筧エンジニアがジジに耳打ちした言葉は「オイ、焦んな」なんですよね…。振る舞いや外向きの言葉はしたたかなように見えるけど、その実、周りの人間へのケア、というか、そういうのがある人物設定というか。それがラストシーンの、キム母子への想いを無言ながら滲ませるところにつながってくるのかなあと。ただ、筧さんのエンジニアは、エンジニアのキャラクター設定的には、一周まわって出てくるタイプの解釈なのかな、初演の最初からは出てこない解釈かな、という気もします。

大好きなシルヴィア・グラブさん。短い登場シーンで、しっかりとええ仕事されてました。全出演者の中でも、この人の歌唱力はピカイチなんじゃないかねえー。エレンの音域って、鳴りにくいというか、決して易しくない音域だと思うのだけど、見事に歌っておられました。この人の凄いところは、演技も、物語の流れの中で求められるところをきちんと出してくるところです。ふつう、歌出身の人って演技がおろそか気味のことが多いように思うのですが、彼女はそこのバランスが極めてハイレベル。だから好きです。シルヴィアエレンは、私のイメージするアメリカの田舎の奥さんそのもの。たぶん宗教心も深くて、個人的に暖かいから優しいからという動機というよりは、キリスト教的なバックグラウンドから生じる普遍愛的な動機、だから「正しいこと」をやらなくちゃ、でも…というかんじでしょうか、うまく言えないけど。そしてほのかエレンよりも強い女性。「Is it her now, or me?」とクリスに問いかけるとき、ほのかエレンは声が震えて、涙を堪えていますが、シルヴィアエレンは静かにまっすぐクリスを見て問いかけるのです。
それにしてもエレンは登場シーンが短いなー。もったいねー!ちなみにソニンキムとシルヴィアエレンの組み合わせだと、ソニンちゃんがアジア人顔でシルヴィアが外人顔(笑)だから、キムとエレンの対比が効いて何気に効果的ですね(笑)。

余談ですが、前回、Why God, Why?がどーしてうまくハマらないのか?と思っていましたが、役者云々というのもあるのだけど、あれは日本語歌詞の罪も大きい。英語と日本語両方聴いてる人はきっと結構みんな思っていると思うけど。最後のフレーズ、原詞だと「Now I leave remembering her, ju-----------st her-------------------」です。最後に伸ばすことばは「just her」なんです。これが日本語詞だと、細かく覚えてないけど、「思い出を胸にーベトナムをはーなーれーよーーーーーー、いーーーまーーーーーーーー」とかでしょ?そんなに離れてえのかよ!ってなるじゃないですか。それなのに直後にあの展開。ヘンでしょう。しかも、正しい和訳ですらないのです。「帰ろう」というのは意思を持って帰りたい感じですが、「Now I leave remembering her」は彼女の思い出を胸に(←ここはいい)帰ることになってしまう、帰ってしまうのかオレは、的なフレーズなのです。これはハッキリ誤訳だと言っても過言ではないと思う。音楽に乗せたときに重みを置く場所が違うところになってしまっているのも言うに及ばずです。岩谷時子さんの訳詞、ほかにいい部分もありますが、こーいうところとか語尾の処理とか(「~だよー」とか、とてもバカみたいな語尾が多くて気になる)、私はマイナス評価のほうが大きいです。
ちなみにジキル&ハイドのときも、これは日本語詞は別の方でしたが、ルーシーのナンバー「あんな人が」の最後が、日本語は「あんな人がいたら」という同じ歌詞のまま行くのですが、英語の原詞は最後だけ「If someone like you loved me」になるんですよね。そして「loved me, loved me」のところを繰り返し、ロングトーンで歌う。日本語は「いたら、いたら」。あれもとっても残念だった。じゃあどうするんだって話はあるので、たぶん訳者の方も悩んだろうと思うのだけど…。

ということで、私のサイゴンはこれにて終了…のはずなんだけど、未練がましく博多座のキャスト表をもらって帰ってきてみた。1月頭の週に福岡にいる可能性があるんだよねー。1/11(日)に弟の結婚式が福岡であり、お正月はいつも福岡の実家に帰省しているので、めんどくさいからその間ぜんぶ休みとって福岡にいちゃおうかなー…と迷い中なのです。んー、でも市村さんはその期間には出ないなー。他は観たい人はみんな観ちゃったしなー。んー、迷うなー。

とりあえず、今日も昼から観劇です!

シンディブランクを埋め中

先日の武道館コンサートの余韻で、これまで買ってなかったシンディ・ローパーのアルバムを一気買い。リアルタイムで買っていたのはHat Full of Starsまでで、そのあとAt Lastは買ってたんだけど、その間のSisters of Avalon, Shine, The Body Acoustic, そして最新のBring Ya to the Brinkを今回購入。武道館で、知らない曲ですごく好きだったのがいくつかあって、どれに入ってるかわかんないから全部買っちゃえーというノリで買ったんだけど(大人)、知らない曲はほとんどが最新のBring Ya to the Brinkからだった。今新しいほうから順に聴いてるとこですが、Bring Ya to the Brinkもいいし、今聴きながら書いてるThe Body Acousticがすごくいいなあ。Above the Clouds、もの凄く好き。
(そんなわけで海外ミュージカルのCDのほうはまだ全然聴いてないのだけど)

なんで一時期シンディを聴かなくなっていたのかを考えると、A Night to RememberとHat Full of Starsが、中に好きな曲はあったけど、全体的にいまいちぐっと来なかった、のが、しかも続いたせいで、Sisters of Avalonがリリースされたのはリアルタイムで認識してたんだけど、手が伸びなかったんだったような気がする。いまThe Body Acousticに入っているSisters of Avalon(曲)を初めて聴いてるんだけど、すごくいいなあ。当時このアルバム(Sisters of Avalon)までは頑張って買っておけばよかったのかも。

今回の武道館コンサートも、話を聞いてすぐには心動かされなかったんだけど、こないだ実家の福岡から東京に来てた一番下の妹がシンディを好きで、すごくコンサートに行きたがってたのを見て、せっかく行ける立場にいるんだから行こうか、と思ったのがきっかけ。ありがとうね、妹。


さて、前に書いたとおり、今日は久々のフルのお休みを満喫しています。
しかし今月の残りの週末は毎回何かしら芝居の予定が入っている…。しかもうち2週は週末あたり2本。そのうち1つは、つい最近うっかり予定を増やしてしまった(笑)。土居裕子さんのブログを見てたら、最初は行く気なかったんだけど、だんだん行ってみたくなり…。コマ劇場に続き、自転車で家から10分で行ける劇場第2弾かも。

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現在の座右の銘
It's not about winning the moment.  It's about winning the day.

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